今現在アジアで最も影響力があるとされる通貨は円です。世界的に金融不安が広がって
いる影響から、円が買われ続けています。80円割れも目前に迫っています。
このためGDPでは中国に抜かれることになりましたが、依然として円は世界三大通貨
(米ドル、ユーロ)の位置をキープし続けております。
中国の経済成長が、今後も今のペースでしばらく続くことは考えられません。ですので、
早急に人民元がアジアの基軸通貨になることは考えにくいです。
今現在、人民元はドルペッグを採用しているため米ドルが安くなるにつれて人民元も
連動して安くなります。、輸出に依存度が高い中国にとっては良いわけです。
昨年、内需拡大のために積極的に財政出動を行ったため、過剰にものを生産しすぎる
こととなり、中国では在庫が拡大しています。
これらを処分するために世界中に安価な商品が大量に流れる可能性が高まっています。
このため、世界的にデフレが加速する要因になるかもしれません。
ちなみに日本の対中貿易赤字についてですが、現時点では、かろうじてハイテクや設備
機械などによってカバーできている状態にあります。
しかし、上述した理由とあわせて今後中国のハイテク技術が今後向上することによって
貿易赤字をさらに拡大させてしまう可能性がございます。
そして、それにともなって日本の優良企業の海外流出に歯止めがきかなくなるでしょう。
事実、パナソニックや日立といった世界的優良企業でさえ、新分野の製造以外は
ほとんど中国にシフトされている状態にあります。
残念ながら実際の生産は中国、タイ、インドで行われ、日本に残すのは研究所と研究者
のみの状態にあります。急速に進む円高がこうした動きを加速させそうです。
企業としては研究に付加価値がつき、特許権や、商標価値があがることで製造しなくても
莫大な利益をえることができますが、それでは国家としては成り立たなくなります。
今後より一層円が元にたいして弱い立場に追い込まれることとなりますが、有利に貿易を
行うために、しばらくは人民元が基軸通貨になることは考えられません。
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