北京オリンピックが無事終わり、来年2010年はいよいよ上海万博が開催されます。中国が
今後国際社会の中で、どのように変化していくか大変興味があります。
実際に都市部での生活はここ数年で飛躍的に向上しましたが、一方で地方は依然として昔
のままの状態が続いています。中国では農民の地位は極めて低いとされており、その多く
が農民工となり、季節労働者として出稼ぎを余儀なくされます。
北京や上海にそびえ建つ高層ビルやインフラ設備を建設したのは農民工の存在が非常に
大きいとされています。実際に世界の工場として今日の中国の地位を支えたのも農民工で
あり、現在の中国経済を支えてきたと言っても過言ではありません。
農民工の多くは、劣悪な環境下での労働を余儀なくされています。また、何十人もの労働者
が一つの部屋に何カ月の間も閉じ込められて生活することになります。
そして、1日十数時間にもおよぶ重労働を行なわされております。一方、頼みの社会保障も
十分ではありません。仕事中に負傷した場合でも満足な保障を受けることができません。
社会的な地位は低くい上に、その多くの人々が賃金さえまともに貰えない状況にあります。
農民工の権利を守る法律もあるにはあるのですが、訴訟を起こすために必要となるお金も
知識もないので、全く意味をなしておりません。
こうした状況が改善されることとなったのは、2003年に温家宝首相が三峡ダムを視察した
ときに、偶然に訪れた山村で農民から農民工の賃金不払いの話を耳にしたからです。
温首相が農民の処遇改善を訴えたことによって社会全体に大きな波紋をよびました。また、
政府やメディアによる未払い賃金の精算運動へと大きく発展することとなったのです。
こうしたことから中国各地で未払い賃金の支払が行われ、悪質な賃金欠配企業は公表され
法的に罰せられることとなり、農民が受けられる待遇は多少なりとも改善されつつあります。
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